近年、化学物質過敏症の子供さんやご家族の方も増えてきています。
宮大工の技術を今に活かし、本来の良さに加え、天然木、しっくい、柿渋など自然素材を使ったご検討や、
住む方の健康をしっかり考えた新しい住宅をご提案します。
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● K邸  《理想は昔々の田舎家》

彫刻を制作しているKさんは奥さまと小学生と中学生の女の子の四人の家族です。
まだ田園風景の残るT市に家を建てました。

実は今まで十四年間住んでいた家というのが百年を優に超える農家の造りで、漢字の『田』の字のような部屋を襖で仕切っただけで、開けると大きな座敷が出現するという家でした。
ご家族はこのおおらかな家がお気に入りで、できれば同じ家を建てたいところ。しかしそんなわけにはいかず、できるだけ天然木材を使い、間仕切りの少ない家を目指しました。
まず家の中央を大きな吹き抜けにしました。これには家のどこでもみんなの声が聞こえるようにというKさんのご希望がありました。後で薪ストーブを入れる予定があり、大きな吹き抜けも冬は二階への暖房システムとして、夏は涼しく解放された空間として機能します。

壁は漆喰にしたいとのこと。
手作業はお得意なご夫婦ですから、コスト削減の意味もあり漆喰と無垢の床の塗装は、アドバイスをしてご自分達で塗っていただきました。大変ながらも楽しまれたご様子。特に漆喰は楽しかったとのこと。

玄関の上にバルコニーをつけました。夏の夜には家族で寝転がり星の観察ができます。
Kさんご夫妻と話し合いを重ねながら、百年前の建物とは姿は変わっていますが、おおらかに子育てできる楽しい家ができました。
後はご家族でウッドデッキをつくる予定。庭先に大きな丸太がゴロリと置いてありました。

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● U邸

定年をむかえ、夫婦二人の家を考える人は案外多いのではないでしょうか。元気なうちは二人で力を合わせて気楽に暮らす、そんな老後の理想の家とは?主婦の立場からいえば大き過ぎず使いやすい間取りの家、ご主人からは品格のある外観とくつろげる居間のある家でしょうか。

そんな家を実現した樫山U邸をご紹介します。U邸は通りから見栄えのする立地です。
二階建てのなかの平屋ということで「立ち」を高くし、二階屋に負けない風格をだす様にしました。外壁は金属サイディング。丈夫でデザインも沢山あるすぐれものです。さて家の中へおじゃまします。壁は伝統的な土壁。土壁自体が熱や水分を調整し、何より日本の風土に合った素材です。幸いこの地方ではまだ土壁は健在です。

玄関に入るとこれまた天然素材がいっぱい。床は珍しい竹製で、節の模様がきれいです。また竹は生育が早いので森林の破壊がなく、環境保護という面でも普及してほしい素材です。畳は和紙で作られていてイグサの香りはありませんが、退色せず丈夫でいつまでも青畳のさわやかさが残ります。靴箱と居間の飾り棚は白木で造り付けられ、木の存在感が感動的ですらあります。
そしてコタツは堀ゴタツ。日本の暮らしやすさいっぱいのお宅です。
調度品より何より、家自体に天然の豊かさを取り入れていくことが、住み心地をよくする何よりの方法だとつくずく感じさせられたU邸でした。

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● N邸  《収納を考えた市街地の住宅》

Nさんご夫婦は、お母さまのIさんとお嬢さまとの四人暮らし。
土地は角地の三十坪で車一台分のスペースが必要です。

四人分の荷物が三十坪の中に入るわけですから隙間や壁の中を利用し、荷物がなるべく部屋に出なくて済むように考えました。
まずキッチンのカウンターの下は収納のできる物。
階段の下は物入れではなくミニ書斎として使える様につくりました。洗面所の収納はもちろんのこと、トイレの壁にはペーパーが入る鏡つきの戸棚を設置。この他にもお嬢さまのお部屋の開閉式壁面収納はじめ大小しつらえてあります。

そしてこちらのお宅には欠かせない仏壇は連動式の三枚引き戸で必要時に開けるようにしました。
ご主人の趣味の音楽鑑賞はロフトで。
閉まっている天井の扉があき電動で階段が降りる仕掛けで、階下のスペースを邪魔しません。奥様の洋裁スペースは窓と壁収納で狭さを補っています。さらにテレビは壁掛式・・・というように広く使えるよう色々な工夫をこらしました。

また将来の介護を見据えてサウナ付きのお風呂と、部屋に小窓をつけ見守りができるようにしました。  

市街地の住宅では防犯と通風採光という相反する課題がありますが、電動の雨戸シャッターはそのどちらも可能にします。
今回は都市の限られた敷地の中でいかに住みやすい家を造るかという課題を、お客様と共にとことん考えるよい機会となりました。

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